一瞬の煌めきが灰色に澱んでいく『蝶と帝国』
yuyakoyu
百合読書
「好き、それだけがすべてです」
百合濃度[jinstar2.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]
『少女ABCDEFGHIJKLMN』
著/最果タヒ(さいはてたひ)
装画/寺本愛
出版/河出書房
愛は、薬品によって生成されるものと学びました。
モルヒネに似た麻薬成分を調合して、わたしたちの脳に快楽と麻痺をあたえるその薬品は、
無垢なわたしたちに青色の水として認識されていた。(「きみ、孤独は孤独は孤独」)
・いろんなお話が読みたい
・ほんのり百合風味が好き
・すこし不思議なお話が好き
詩人・最果タヒによる少女のための小説。
全4編のお話が読めます。
百合をまったく感じないお話もあるので、
たくさんの作品に触れたい方にオススメです。
「ほんのり百合風味」の雰囲気がとてもとても良いんです…。
この一文があるだけでじゅうぶんです、と思えるような
素敵な文章がつづられています。
百合を感じるお話でも、
男の子を好きになるシーンがあります。
このように「よくわからないけれどなんか惹かれる」お話ばかりです。
雲の上で本を読んでいるような、
あるいはピンクやむらさきの星雲に包まれているような、
そんな不思議な読書体験でした。
ふわふわしているんだけど、私はその感覚を知っている気がする……
みたいな、曖昧さが心地よかったです。
『わたしたちは永遠の裸』がお気に入り。
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