国内小説

柚木麻子『終点のあの子』痛くてせつない青春の日々

終点のあの子

 

プロテスタント系の女子高生の日常がメインの連作短編集です。

『終点のあの子』
著/柚木麻子(ゆずきあさこ)
イラスト/菅野裕美
出版/文春文庫

 

あらすじ

希代子は入学式で奥沢朱里に声をかけられた。
海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマン。
風変わりな彼女と一緒にお昼を食べる仲になった矢先、希代子にある変化がー。

 

百合濃度

 

この作品はこんな人にオススメ

・青春を感じる作品が好き
・女子高のリアルを知りたい
・芸術の道に興味がある

 

 

一番最後の章を読むと、タイトルの意味が分かります。

 

『終点のあの子』はこんな人にオススメ

青春を感じる作品が好き

みんなとちがう何かになりたい。

そんな気持ちがひしひしと伝わってくる作品です。

惹かれている子に学校をサボろうと誘われたけれど、行けなかった女の子。
夏休みの間にこっそりバイトをして、彼氏をつくろうとした女の子。

どの女の子も、プライドや承認欲求をうまく扱えていません。

失敗やケンカを通して、
一皮むけるように成長していく姿がもどかしくてまぶしいです。

 

女子高のリアルを知りたい

クラスでの女の子はいくつかグループに分かれますよね。

基本的には干渉しあいませんが、
時にグループ間を飛び越えて団結することがあります。

そのひとつがいじめ。

いじめの動機から収束に向かうまで、
女の子たちの感情の変化がていねいに書かれています。

女の子しか居ないから、男性への憧れも強い。
男性絡みのいざこさも出てきます。

 

芸術の道に興味がある

この本の中心人物である朱里は、美術が得意。
朱里の周りには芸術の道を歩もうとしている人が集まります。

美術系の大学に進んだあの先輩。
絵を描く仕事をしている親友。
カメラマンである父の個展に、自分の写真をおいてもらおうとする朱里。

でも、みんな、どうにもうまくいきません。

芸術を仕事にする厳しさ、むずかしさを
さりげなく教えてくれます。

 

 

 

『終点のあの子』好きなポイント

女の子たちが考えて、行動して、
その結果までしっかり描かれているところが好きです。

どの女の子の気持ちも「わかる…」となってしまうのがすごい。

百合的にオススメなのは、
クラスの中心人物と、地味な女の子がひと夏を一緒に過ごす話。

対照的なタイプであるがゆえの、気持ちのすれ違いが悲しいです。

 

『終点のあの子』補足情報

作者も女子高出身

中高一貫の女子高出身だそうです。
(あとがきより)

女の子同士特有の空気感がとてもリアルに感じられるのは、
作者自身の経験もあるのかもしれません。

 

男性が読んだら新鮮、
女性が読んだらあるある、な話がつまっています。

 

 

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湯屋こゆ@yuya_koyu