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柚木麻子『終点のあの子』痛くてせつない青春の日々

終点のあの子
yuyakoyu
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プロテスタント系の女子高生の日常がメインの連作短編集です。

『終点のあの子』
著/柚木麻子(ゆずきあさこ)
イラスト/菅野裕美
出版/文春文庫

 

[box04 title=”あらすじ”]
希代子は入学式で奥沢朱里に声をかけられた。
海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマン。
風変わりな彼女と一緒にお昼を食べる仲になった矢先、希代子にある変化がー。
[/box04]

 

百合濃度[jinstar1.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]

 

[box04 title=”この作品はこんな人にオススメ”]
・青春を感じる作品が好き
・女子高のリアルを知りたい
・芸術の道に興味がある[/box04]

 

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一番最後の章を読むと、タイトルの意味が分かります。

 

『終点のあの子』はこんな人にオススメ

青春を感じる作品が好き

みんなとちがう何かになりたい。

そんな気持ちがひしひしと伝わってくる作品です。

惹かれている子に学校をサボろうと誘われたけれど、行けなかった女の子。
夏休みの間にこっそりバイトをして、彼氏をつくろうとした女の子。

どの女の子も、プライドや承認欲求をうまく扱えていません。

失敗やケンカを通して、
一皮むけるように成長していく姿がもどかしくてまぶしいです。

 

女子高のリアルを知りたい

クラスでの女の子はいくつかグループに分かれますよね。

基本的には干渉しあいませんが、
時にグループ間を飛び越えて団結することがあります。

そのひとつがいじめ。

いじめの動機から収束に向かうまで、
女の子たちの感情の変化がていねいに書かれています。

女の子しか居ないから、男性への憧れも強い。
男性絡みのいざこさも出てきます。

 

芸術の道に興味がある

この本の中心人物である朱里は、美術が得意。
朱里の周りには芸術の道を歩もうとしている人が集まります。

美術系の大学に進んだあの先輩。
絵を描く仕事をしている親友。
カメラマンである父の個展に、自分の写真をおいてもらおうとする朱里。

でも、みんな、どうにもうまくいきません。

芸術を仕事にする厳しさ、むずかしさを
さりげなく教えてくれます。

 

 

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『終点のあの子』好きなポイント

女の子たちが考えて、行動して、
その結果までしっかり描かれているところが好きです。

どの女の子の気持ちも「わかる…」となってしまうのがすごい。

百合的にオススメなのは、
クラスの中心人物と、地味な女の子がひと夏を一緒に過ごす話。

対照的なタイプであるがゆえの、気持ちのすれ違いが悲しいです。

 

『終点のあの子』補足情報

作者も女子高出身

中高一貫の女子高出身だそうです。
(あとがきより)

女の子同士特有の空気感がとてもリアルに感じられるのは、
作者自身の経験もあるのかもしれません。

 

男性が読んだら新鮮、
女性が読んだらあるある、な話がつまっています。

 

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https://www.yurinovel.com/release/

 

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こゆ
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@百合読書
年間100冊読む読書好き。わかりやすいツンデレが好物です。
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