海外小説
PR

私たちが自由になれる居場所を求めて『星月夜』

星月夜,感想
yuyakoyu
記事内に商品プロモーションを含みます

ここでなら、自由になれると思ったのに。

百合濃度

『星月夜』
著/李琴峰(りことみ)
出版/集英社

あらすじ

日本の大学で日本語を教える台湾人の柳凝月(りゅうぎょうげつ)と、
新疆ウイグル自治区出身で、日本の大学院を目指す生徒の玉麗吐孜(ユーリートゥーズー)は恋人同士。

共通の言語を持ち、幾夜も語り合い、玉麗吐孜のことを分かっていると思っていた柳だが、彼女が背負う重りを知らずにいた自分に気付く……。

この作品はこんな人にオススメ

・リアリティのある話を読みたい
・日本以外の国をよく知らない
・先生と生徒の恋愛を読みたい

あらゆる縛りから逃れたくて、ここに来たはずだった。

『星月夜』はこんな人にオススメ

リアリティのある話を読みたい

これは日本で暮らす、海外出身のレズビアンを描いた作品です。

そこに宗教や言葉も関係してくることでグッと重みが加わります。
特に玉麗吐孜(ユーリートゥーズー)が同性愛に苦しむ描写は、
読んでいてとてもつらくなります。

日本以外の国をよく知らない

出身が日本ではない別の国というだけで、
こんなにもこの国(日本)は生きづらいのか、と驚きます。

同時に、彼女たちの出身国の生きづらさにも驚きます。

政治、宗教、偏見、言葉の壁。
居場所を見つけることは、こんなにも難しい。

先生と生徒の恋愛を読みたい

こう書いておいてなんですが、禁断の愛!みたいな
背徳感を感じるものではないです。
恋人同士なのにドキドキする描写はほぼありません。

それでも先生として、恋人として、
玉麗吐孜(ユーリートゥーズー)を見守り、
理解しようとする柳先生の目線がやさしく、切ないです。

『星月夜』感想、好きなポイント

私はこの作品を語る言葉を持てていない気がしています。
国や宗教によってちがう考え方をあまりにも知らなくて、
自分の愚かさを知った気分です。

でもそんな言葉で逃げてはいけないので…
自分が信じるものを大事にするように、
相手が信じるものも尊重できるように生きていきたい。

うまく言えなくてもどかしいですが、読めば必ず刺さるものがあります。

『星月夜』補足情報

作者の李琴峰(りことみ)さんは台湾出身。作家であり、翻訳者でもあります。

『星月夜』は台湾出身の李さんが日本語で書いた作品です。
母国語ではない言語で小説が書けるってすごすぎませんか…!

第165回芥川賞受賞

2021年の第165回芥川賞を
『彼岸花が咲く島』という作品で受賞されています。
おめでとうございます!

管理人は未読なのですが、少し百合を感じるといった感想も見かけたので
いずれ読んでみようと思います。

↓下のタグをクリックで同じジャンルの作品を表示します

ABOUT ME
こゆ
こゆ
@百合読書
年間100冊読む読書好き。わかりやすいツンデレが好物です。
記事URLをコピーしました