矢部嵩『少女庭国』永遠への絶望

どこまでも続く部屋に、中3女子がまたひとり。
『少女庭国』
著/矢部嵩(やべたかし)
イラスト/焦茶
出版/ハヤカワ文庫
[box04 title=”あらすじ”]
卒業式会場に向かっていた中3の羊歯子は、気づくと暗い部屋で目覚めた。
隣に続くドアには貼り紙が。
“下記の通り卒業試験を実施する。
ドアの開けられた部屋の数をnとし
死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ”。
ドアを開けると同じく寝ていた女生徒が目覚め、やがて人数は13人に。
不条理な試験に、彼女たちは…。
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百合濃度[jinstar1.0 color=”#ffc32c” size=”16px”]
[box04 title=”この作品はこんな人にオススメ”]
・女子だけの世界が好き
・SFが好き
・残酷なストーリーもやぶさかではない
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これは、女子だけの果てしない物語。
『少女庭国』はこんな人にオススメ
女子だけの世界が好き
本当に女子しか出てきません。
けれど、おそらく、いま想像したものとはまるで違う世界の作品です。
理不尽な状況に置かれた女子だけの世界。
甘々な百合はいっさい出てきませんのでご注意ください。
SFが好き
SF、というくくりでいいのかちょっと自信がないですが…。
怪作であることは間違いないです。
制限された空間の中で
無限に広がる作者の思惑に飲み込まれていきます。
残酷なストーリーもやぶさかではない
このお話はたくさんの中学3年生の女子が出てきます。
ドアの開けられた部屋の数をnとし
死んだ卒業生の人数をmとする時、n-m=1とせよ
この不条理な卒業試験を突きつけられたとき、
あまたの中3女子がどう動くのか。
まるで研究論文かのように
彼女たちの行動を細かに記録したストーリーです。
『少女庭国』感想&好きなポイント
めちゃくちゃつらかった~…。
頭がおかしくなりそうでした、つらくて。
つまらないという意味ではないです。
むしろ引きこまれてしまう。
残酷なシーンもあるのですが、
淡々と進むので本当に論文を読んでいる気分になります。
百合を感じられる女の子は数名で、
たくさんの話の中でもその数名のエピソードが印象的でした。
https://www.yurinovel.com/release/