切り離せたら、いいのにね『愛されなくても別に』
百合濃度
『愛されなくても別に』
著/武田 綾乃(たけだ あやの)
イラスト/雪下まゆ 装丁/岡本歌織
出版/講談社
学費のため、家に月8万を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え、友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らす――そんな宮田の日常は、傍若無人な同級生・江永雅と出会ったことで一変する。
・本音で話せる人がほしい
・現代を描いた作品が好き
・家族のことで悩んでいる人
親の愛を疑ったことなんて、なかったけれど。
『愛されなくても別に』はこんな人にオススメ
本音で話せる人がほしい
家族に言いたいことが言えますか?
陽彩(ひいろ)も雅も、もしかしたらこれを読んでいるあなたも、
「言えない状態があたりまえ」かもしれません。
陽彩たちを見ていると、自分の考えを話させてくれる人ができたら、
心にすこしの余裕ができるのかも、と思わせてくれます。
現代を描いた作品が好き
いまの日本で、実際にどこかで起きていそうな日常が描かれます。
コンビニでのバイト、大学、実家。
想像にたやすい場所で、知らない人の生活を覗いてみる感覚。
驚くような行動や展開もあるのですが、それも含めて「やっぱりどこかで起きていそう」と感じてしまうのは、陽彩の思考を通した言葉がスッと頭に入ってくるからかな、と思います。
家族のことで悩んでいる人
タイプのちがう「毒親」が、彼女たちの生活にどうしようもなく干渉してきます。
大学生だから一人暮らしだってできるけど、親は心に影を落とす存在として鎮座する。
親のことで悩む相手を見て「自分はまだマシ」と思うこともできる。
でも、それでは自分に降りかかる問題は解決しない。
彼女たちが親にどんな言葉をかけ、どう行動するのか。
ぜひ見届けてみてください。
『愛されなくても別に』感想、好きなポイント
『愛されなくても別に』というタイトル。
「別に」って言葉にするときって、満たされてないときですよね……。
強がりじゃなくて本心だとしても、なにかが、どこかが、満たされていない。
でも、じゃあ、満たされている状態って何なんだろう……。
自分はだれかにちゃんと自分の気持ちを話せているかな、とベッドの中でじんわり考え直すような、そんな作品でした。
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